一定期間更新がないため広告を表示しています

  • 2019.09.15 Sunday
  • -
  • -
  • -
  • by スポンサードリンク

JUGEMテーマ:映画

 

毎日が不運続きかつ目下スランプのただ中にある生地デザイナー。

彼が手掛けた一枚のドレスを、ある老女が買い求める。

それは風に飛ばされ、そうして妙齢の女性によってリサイクル・ショップに出され、

今度は少女の手に渡り、それがさらに盗まれて、今度はホームレスに拾われ……。

初夏の風にスカートの襞がなびくように人々の手に渡って翻され、

その彼らをも翻弄して行くドレス。

そんな一枚のドレスをめぐって繋がれて行く、さまざまな人間たちの人生模様を描く。

******************************

恐らくは、私にとってのはじめてのオランダ映画。……だと思う、多分。

何だか予算は掛かっていないし、いわゆる有名な俳優が出演しているのでもない。

別段に斬新な手法が使われていた訳でもないのに、何故かこの視線は釘付けに。

とっても面白かった!


別に、誰かと誰かの人生が繋がれて行くこと自体に感動した訳じゃない。

そういうのじゃなくて、そんなことはどうでもよくて、

「誰かと誰かの人生が繋がれて行く時に、

そこに理由なんてものはまったく必要ない」んだってこと。

こればっかりは自然だとか不自然とかそういうことは関係ない。

あらゆる常識とか規則性なんか超越してしまっている。

そのことが最高に魅力的で、そこに惹かれたのだと思う。


今作を借りに行った時には、実はもっと別のラブ・コメ系とかを選ぼうと思っていた。

そこへたまたま一緒に行った夫にねだられなかったら、絶対に借りたりなんてしなかった。

それでも、こんな風にしぶしぶ了解をして、どうせなら観なくたってよかった。

何とはなしに、ほかにすることもなくて観はじめたら……

とても面白くて、今こうして感想を書いている。

私自身の運命のことなんて信じるべくもないけれど、こういう「めいた」もの。

 

 

そうした観賞の背景までを大切にしたいと思える作品は、とてつもなく素晴らしい力作だ。
この物語性をしても、その展開を彩る演出にも特に趣向を凝らしたところは見当たらない。

でも、そこにこそ徹底を感じたりする。

それぞれの場面を、逆説的に際立たせる要素になっている。

あらゆる人間の生死が対照付けられている場面では、

それを飾り立てないからこそ、この胸に強く響いたりした。

最後はあのアングルのままで耐え抜いたことが、最高の演出だった。
あれを維持することって、きっとすごく難しい。

けれど、あの手法以外が使われたとして、恐らく観客は醒めてしまう。

すべての物語がきちんと銀幕を去り終えるまでに、

あらゆる出来得る可能性を「やらない」と選択するには、

きっと涙ぐましい経験と血の滲むような努力もあったことだろうって思う。


この程度の予算で、この規模で、この映画が作られたことに、だから、私は感謝する。

もしかして宣伝費に回せるお金が多分にあったならあのドレスは、

「あなたもクイズに答えてもらおうキャンペーン」の対象商品になっていたかも知れない。

それはそれで、「是非とも着てみたい!」とも思ってしまうけれど……

あの柄ならば、でも、きっと部屋着になってしまうよね。

  • 2019.09.15 Sunday
  • -
  • 10:56
  • -
  • -
  • by スポンサードリンク

Comment





   

PR

Calendar

S M T W T F S
      1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
<< February 2020 >>

Archive

Mobile

qrcode

Selected Entry

Profile

Search

Other

Powered

無料ブログ作成サービス JUGEM